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榎本保朗先生の生きざまを思いだしました。

<ちいろばの先生>

今から40数年前、ロスのホーリネス教会には、日本からいろんな先生が訪ねてきました。その中に、あまり見栄えのしない、何かぼそぼそした牧師がいました。自分で、“私が「ちいろばの先生」です”と自己紹介されたのですが、誰も知りませんでした。

その頃は、今みたいに日本のニュースがすぐ来るという時代ではなかったのです。どうも先生の書かれた本“ちいろば”が大変好評だったらしい。“ちいろば”というのは小さいロバの子という意味ですね。イエスさまを乗せした子ロバのことです。先生は、イエスさまを乗せて、ふらふら歩く子ロバだと言ったのでした。

初めてこられた時、先生は、“朝の3分の祈りがあなたの人生を変えます”と言って、朝3分お祈りすることを勧めたのです。そして、実際に隣の人と3分祈るということをしました。

たまたま前に座っていた私は先生と祈るはめになりましたが、何を祈ったのか、先生がどんなお祈りをされたのか全く覚えていません。ただ、3分というのがすごく長かったということだけ覚えています。

<“ちいろば”という本>

その頃、アメリカではあまり知られていなかった。この本は、今読んでみても、いつまでも楽しい面白い本です。終戦で満州から引き揚げてきた時からの自分の生涯を書いています。終戦で生きがいを失って、神学校に入ったのですが、失望して、死のうと思ったのです。

そしたら、お寺の和尚さんに会って坊主になったりします。先生の父親は、彼が自殺しているのではないかと心配して探しまわり、ようやく父親に発見され、家に連れ戻され、再び神学校に行くというところから、教会生活、教会(聖光教会)の設立、そして、教会を去るというところまで書かれています。

この本は面白いだけではなく、ところどころ泣かされる真摯な記録です。

<ちいろば余滴>

“ちいろば”があまりに好評で、その続きとして“ちいろば余滴”という本がでました。自分が必死に汗水ながして設立した教会、「聖光教会」を人に譲って、四国の今治教会に行くのですが、これは大変な決断です。

いや、神さまにそう示されたのですが、こういうことは、なかなかできないものです。教会をたちあげた人は、“自分の”教会をいつまでも育てたいと思うのが普通ですが、そういう個人的に大切にしていたものを神さまにお捧げする。これは、なかなか出来ないことです。

そして、(自ら)新しく今治教会に移り、そこで週報に書かれたものをもとに、この“ちいろば余滴”が書かれています。これも素晴らしい、真実に満ち溢れた本です。

<ふつか分のパン>

そして、次が“ふつか分のパン”。これで榎本先生の3部作が出来上がるのですが、私は、自分の霊性が衰える時には、この3冊を読みます。これらの表紙をみるだけで、元気にさせられるのです。

会社で、休みの時に、この本を読んでいたら、涙がとまらなくなり、トイレに駆け込んだこともありました。神さまをどこまでも信じ、頼りながら、へまばかりしてしまう榎本先生は、神さまの聖徒でした。

<榎本先生、召される>

初めて日本から来られた時、朝の3分の祈りは、あなたの人生をかえます、という話をされ、その後、たしか3度くらい来られたのではないでしょうか。私たちの教会(LA ホーリネス教会)でもメッセージや伝道集会をしてくださいました。

いつも辻本先生のところに泊まられていたと記憶しています。最後に、南カリフォルニアの教会連盟の修養会に来られる時だったと思いますが、飛行機の中で病気になり、LAXから緊急病院に運ばれました。

教会の斎藤さんが毎日、病室を訪ねていましたが、斎藤さんが“先生、早く元気になって、修養会の御用をしてください”と言うと弱り切った声で、“斎藤さん、もうそういうのはやめにしましょう”と言われたと祈祷会で報告したのを覚えています。そんな気休め(励まし?)はやめにしましょうと言われたのでした。

多くの教会で、多くの兄弟姉妹がお祈りしていましたが、先生は、数週間後に召されていきました。惜しい働き手を失ったと思ったものです。先生がはじめられたアシュラム運動(静まって、み言葉を読みお祈りすることですが、)息子さんの榎本恵牧師が引き継がれています。

正直言って、牧師という肩書をもつ人はどことなく傲慢のように感じるのです。自分が何か特別のように思われているのでしょうか?(意識的に謙遜を装う人も多いのですが)でも、榎本保朗先生からはそれを感じたことがありませんでした。多分、先生は本当に祈りの人だったからだと思います。いつも神さまにまみえている人は、高ぶることができないのです。

「人の高ぶりはその人を低くし、心の低い人は誉れをつかむ。」(新改訳箴言29:23)

ロバート・イー


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