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我輩は酒場牧師である。前科はまだない。

酒場牧師

<牧師さんって何するんですか?>

「我輩は酒場牧師である。前科はまだない」というわけで、日本屈指の大歓楽街新宿歌舞伎町はゴールデン街で牧師をしちょります。「牧師さんって何するんですか?」ってよく聞かれるが、う〜〜ん、何をしてるんでしょうねえ。

一般論としては、教会を持つ、従ってそこでの様々な働き、例えば礼拝日にはメッセージ(「説教」と呼ばれることが多いが言葉のイメージとしては、いかにもこうるせえ小言のような感じがするので好感度低い)をしたり・・。

聖書の勉強会をしたり、やってきた人の相談に乗ったり、歌の上手い牧師は自慢たらたら歌を聴かせたり、、、そういったことをして慌ただしく過ごす。

その他の日々は?人によって違うと思うのであくまでも一般論だけど、お祈りの会をやったり、聖書の勉強会をしたり、信徒やお客さん(教会訪問者)のお宅を訪ねて御用聞き、じゃなかった、ご様子見に行ったり、メッセージの準備をしたり、勉強をしたり、ご飯を食べたりします。

一般論、一般論、というのですでにお気づきかとも思うが我輩はあまり一般的な牧師ではない。何しろ前科はまだないが酒場牧師である。かつてはロクデナシ牧師と言われたが改名したのだ。なめてはいけない。

牧師バー

<我輩は酒場牧師である。教会堂はまだない。>

(というか教会堂は持つ予定もない。)教会はあるよ。教会(礼拝を中心とする)をやるのに建物は絶対必要なものではないからね。

東京新宿・ゴールデン街のとあるバーを借りて毎週集まって礼拝してる。シンプルだけどなかなかいい礼拝だなあと自分だけは思ってます。なめんなよ(なめられること前提)

「他の日は何やってるんですかあ?」なんてよく訊かれるけど余計なお世話である。

でも教えちゃう。

牧師としての働き(これをミニストリーといったりする)の一環として、「牧師バー!」というのをあちこちでやっちょります。ジャズバーとか、文壇バーとか、おかまバーとか、いろいろありますよね?その一つとして「牧師バー!」ってのがあってもいいんじゃない?

「牧師バー!」だって基本的にはバーなんだけど、特徴を挙げるとすれば店主が牧師である。

そういうことをやる目的は?そりゃあ宣教が目的である。従って一晩に数回「説法タ〜イム!」というのをやる。聖書の話や、人生問題、我輩の経験などから偉そうに語ったりするのである。
もちろんバーのお客さんから悩みを打ち明けられたりすることがよくある。「懺悔をしたい」っていうリクエストもあるし。時には宗教談義が始まってエラく盛り上がったりもする。

我輩は酒場牧師である・・。これがその所以である。

<あたしキリスト教って好きぢゃないんです。>

で、去年だったかなあ、女子大生のお客さんが3〜4人で来たことがあったと思いねえ。話してるうちに結構楽しく盛りあがってきた。そしたら一人の子が「でも、あたしキリスト教って好きぢゃないんです」っていうわけ。

その後問わず語りにその子が言うことには、自分は中高とミッション系の学校に行っていたので学校で礼拝も聖書の授業もあった、と。

でも学校も先生たちも雰囲気が暗くて楽しくないし、意地悪な先生たちに傷つけられたことがたくさんあって、クリスチャンなんて言ってるくせにこんなんじゃあ宗教なんて無い方がマシだ!って思うようになったんです。だからキリスト教なんて好きじゃないんです、って言うわけ。

そりゃあそうだよね。おいらだってそんな環境に置かれたらそう思うよ。

でもね、そんなふうに傷つけられた子が、キリスト教なんてやだ!って思ってる子が、なんで「牧師バー!」なんかに来たの?他にもバーなんて腐るほどあるんだよ。ゴールデン街だけだって250以上あるんだし。

思うにきっとあの子も傷ついてその傷を癒されたかったんだろうなあ。

その晩の「説法タ〜イム!」で放蕩息子のお話をして、傷つきまくって恐る恐る帰って来た息子をお父さんである神さまはそのまま大喜びで抱きしめて受け入れてくれたんだよ、ってなこと話してたら涙流してたもんなあ。

帰る時には随分明るくなって、もうあの学校は卒業しちゃったけどどこかの教会に行ってみたい、って言ってたよ。

「ああ、この仕事やっててよかったなあ」って思うのはこんな時だね。儲からないけどね。

我輩は酒場牧師である。貯金はまだない。

中村 透(牧師バー店主/主任牧師@酒場で教会)



中村透(略歴)

中村透。早稲田大学文学部文芸科卒

大学卒業後、大型長距離トラックの運転手をして金を貯め、日本を出発。香港を経てタイのバンコックへ。そこからビルマ、印度、あとはできる限りヒッチで西へ。

パキスタン、アフガニスタン、イラン、トルコを経てヨーロッパ入り。ギリシャ、イタリヤ。そこから船でアフリカへ。アフリカで2年半旅を続け、ザイール(当時)のジャングルのまっただ中でマラリヤ発病、隣のウガンダは戦争中でスパイと間違われて投獄。

旅の間危ないことはいろいろあったが、この二つの経験が危険度では白眉。インドのオールドデリーで、泥棒をぼこぼこの返り討ちにし、それに怒った群衆に取り囲まれ、あわやリンチで殺されそうになった時、突然あらわれた不思議な人物に救われたこともあった。

アフリカに長居しすぎて金がなくなり、やむなくヨーロッパ経由でアメリカへ。金を貯めて中南米をまわろうと思っていたが、ロスでいろいろな仕事をするうちクリスチャンになる。日本へ帰り神学の勉強をして牧師になり、パサデナの日本人コミュニティー中央教会で牧会の後、2013年から宣教師として日本へ移住。2014年から新宿ゴールデン街で牧師バー「酒場で教会!」を開店中。



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