母の悲しみ

2018/06/12主を思う・・

サルべーション・マウンテン(Salvation Mountain)

母は、私にとって「反面教師」でした。こうであってはいけないと教えられた人でした。でも、今から考えると、すごい人で、私の人生に最も強い影響を与えた人だと言えます。

母は、とても怖い人でした。子供たちに甘えることを許さない人でした。私たちの家は、韓国の由緒ある家で、父は国会議員。母は、梨花女子大を出た、美貌と知性をそなえた人でした。威厳があり、家の人たちは勿論、父の政治家仲間も皆、父よりも母を怖れていました。私たちは、母が傍を通ると冷たい風がよぎるように感じたものです。

家には、多くの女中がいました。皆貧しい家の出で、奴隷のように使われていました。彼女たちは、時々銀のスプーンなどを盗むのです。家にある銀器は無数にあるのに、母には、それが盗まれるとすぐにわかるのでした。そして、女中部屋に直行し、盗んだ女中の風呂敷を開き、そのスプーンを見つけます。驚くべきことには、母にはだれがそれを盗んだのかわかるのです。

母は、大きなテーブルの上にうつ伏せに寝かされ、ムチ打たれる女中を、腕を組んで見ていました。それで、ムチ打つ者も容赦できなかったのです。

父が亡くなり、母が本当のクリスチャンになってからのこと、母が私に「こんな私でも、天国に行けるかしら」と訊きました。自分が女中にムチ打たせたことなどが思いだされて、そんな自分が天国に行けるのかと不安になったというのです。

私はそれを聞いてびっくりしました。そして、慌てて「何を言っているんだ。イエスさまの十字架は、その為じゃないのか」と言ったのでした。たぶん、母は、わかっていたのだと思いますが、振り返ってみて、自分のしたことが無性に悲しかったのだと思います。

 その母も16年前に主の御許に召されていきました。もう悩むこともないのです。
 
「わたしは、あなたがたに平安を残します。・・・ あなたがたは心を騒がしてはなりません。恐れてはなりません。」(ヨハネの福音書14章27節

ロバート・イー

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2018/06/12主を思う・・

Posted by NCM2 CHOIR